もくじ
大人が学ぶ重要性とその方法
AIの台頭もあり人の力を借りなくても出来ることがこれからますます増える時代に突入しました。
このような時代では、社会に出てからもう1度学び直すことが重要になってきます。
「リカレント教育」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。リカレント教育とは、大人が再び学び直すことにより、スキルアップやキャリアアップ、社会参加の幅を広げることを目的とした教育です。
ここでは、リカレント教育の重要性やメリット、そして受講方法や継続するための秘訣について、解説します。
そもそも「リカレント教育」とは何か?
社会人が学びなおす必要性の高まり
私たちは、社会に出るまでに学校教育で様々な勉強をしてきたはずですが、時代や市場の変化とともに、学びなおす必要があります。
リカレント教育とは、学校教育からいったん離れ社会人となったあとでも、それぞれのタイミングで再び学びを得ることで、専門的な知識や技術を学びなおすことです。
端的に言えば「社会人の学びなおし」ということになります。
サードプレイスを見つけることにも繋がる
そしてリカレント教育は、単なるスキルのアップデートだけでなく、個人が社会に貢献することができる方法を提供することが求められています。
それは、社会的に有意義な仕事を見つけたり、新しい分野に進出したり、社会貢献をすることの助けとなるものなのです。
自宅や職場以外の自分の居場所(サードプレイス)という概念がありますが、リカレント的には学びの中から精神的な第3の場所を見つける、ということにも繋がるのではないでしょうか。
また「生涯学習」も広い意味ではリカレント教育と言えますが、生涯教育は文化活動やボランティア、趣味など仕事とは直接的に関係がないもの「生きがい」という意味合いも含んでいます。
なぜリカレント教育が必要なのか?
ライフステージの変化によるキャリアチェンジ
特に女性は、ライフステージの変化によりキャリアチェンジを余儀なくされる場合があります。
たとえば、子育てが終わり、再び社会に復帰したい場合、リカレント教育は、新しいスキルを身につけることで、再び社会に復帰することができるようになる手段の一つとなり得ます。
ライフイベントによる離職後の復帰に向けた準備
育児や介護など、生活に変化やイベントが起こる場合、職場を離れる必要が生じることがあります。
リカレント教育を受講することによって、個人のスキルはアップデートされ、自分自身がキャリアをアップデートすることによって、市場での競争力を維持しやすくなります。
学びたいという意欲はライフステージの変化とトレードオフ出来ない
せっかく学びたいという意欲やスキルアップの機会があっても、自身のライフステージがそのタイミングでは難しい場合も多々あるかと思います。
そんな時、諦めてしまうのはもったいない、でも今のタイミングではないという場合とても悩ましいですよね。
リカレント教育はいつでもどこでも学び直しが出来るよう、通信教育やオンライン教育も用意されているので積極的に取り入れていけば、復帰後の助けになるはずです。
リカレント教育は、現代の社会や市場で成功するためには不可欠です。
ライフイベントなど様々な理由でスキルの空洞化が起こりますが、リカレント教育によりそのような状況に対応することで解決していけるのです。
リカレント教育で何が得られるのか?
市場価値の向上
リカレント教育を受講することで技術や知識を学び、自己啓発をすることができます。
これにより、市場価値が向上し、転職や復職する際の助けとなります。
キャリアアップや転職の機会が増える
リカレント教育で新たなスキルや知識を学ぶことで、自分自身のキャリアアップに繋げることができ、新たなキャリアにチャレンジすることも可能となります。
社会参加の幅が広がる
リカレント教育で、社会の仕組みや様々な分野に関心を持つことができます。
これによって新しい人脈や社会参加の幅が広がり、自身の視野が広くなることで生きがいを持つことも出てくるでしょう。
リカレント教育の受講方法
通信教育
定期的に通信教育のスクールから学び、課題を提出していく方法です。場所や時間に縛られず、フレキシブルに学ぶことができます。
オンライン教育
インターネット上で、動画形式やオンライン講義形式で学習する方法です。場所や時間に縛られず、自分のペースで学ぶことができます。
学校・専門学校への再入学
大学や専門学校に再入学し、学び直す方法です。短期間で学ぶことができ、詳しい指導が受けられるため、効率的にスキルアップすることができます。
リカレント教育を始めたいと思ったら
リカレント教育が大切なことは理解したけれど、何から始めて良いか悩ましいですよね。
↓そんな方は、文部科学省が推奨しているマナパスというサイトを参考にしてみてください。
4000以上の大学講座から自分に合った、または興味のある分野を探せます。
学び直しのための補助金活用ガイド
補助金制度を利用するメリットとは?
学び直すとなると、やっぱりお金のことが気になりますよね。
特に、社会人になってから学び直す場合は、費用をどう捻出するかが重要な判断基準になります。
そこで、利用すべき補助金として注目されるのが、「教育訓練給付金制度」です。
教育訓練給付金制度とは
教育訓練給付金制度は、新しいスキルを身につけたり、キャリアを探したりする人を支援する制度です。
特に、厚生労働大臣が指定した約1万4000の講座の中から受講した個人に対して、受講料の20%〜70%を国が支援してくれます。
つまり、最大で費用の70%が補助される可能性があるということです。
これは社会人の学び直しにとっては利用しない手はない魅力的な制度と言えるでしょう。
教育訓練給付金制度は以下の3つ
専門実践教育制度 | 特定一般教育制度 | 一般教育制度 |
看護師、保育士、栄養士キャリアコンサルタント、調理師など、他多数 | 社会保険労務士、税理士宅地建物取引士資格試験、大型自動車第一種・第二種免許、他多数 | 実用英語技能検定、TOEIC、TOEFLWebクリエイター能力認定試験、インテリアコーディネーター、他多数 |
費用最大70%支援 (最大224万円) | 費用40%支援 (上限年間20万) | 費用20%支援 (上限年間10万) |
中長期的キャリア形成に 資する教育訓練が対象 | 再就職、早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象 | その他、雇用の安定 就職の促進に資する 教育訓練が対象 |
訓練前キャリアコンサルティング→受給資格確認→講座の受講終了後、一か月以内にハローワークで申請 | 訓練前キャリアコンサルティング→受給資格確認→講座の受講終了後、一か月以内にハローワークで申請 | 講座の受講終了後、 一か月以内にハローワ ークで申請 |
制度を受ける対象者の条件とは
この制度の対象者になるためには、いくつかの条件があります。
・厚生労働大臣が指定した講座を受講すること
・受講者は社会人であること
・雇用保険の加入期間が1年以上
(専門実践教育訓練は2年以上)
*詳細は自治体や政府のウェブサイトで確認することをおすすめします。
出典元:厚生労働省:教育訓練給付制度
補助金を利用することが出来る該当者の場合、申請手続きが必要です。
申請の方法や必要な書類などは、自身の該当するハローワークで配布しています。
必要事項や提出物を揃え、ハローワークの窓口で確認しましょう。
成功するためのリカレント教育の秘訣
目的意識を持つこと
リカレント教育は、ただ学ぶだけでなく、自分自身の将来に向けて学び直すことが必要です。
そのため、学ぶ目的意識を持ち、自分自身が何を学ぶ必要があるのかを考えることが大切です。
自己管理能力の向上
学び直すことは自己成長のために行われます。
多くの人は、リカレント教育を受講するために仕事の合間や、育児や家事の合間をぬってスキルを磨くことになるため、時間管理や精神的なモチベーション維持も含めた自己管理能力が必須です。
ですから、おのずと自己管理能力が上がります。
ライフワークバランスの取得
リカレント教育を受講する上で、ライフワークバランスを考えることも大切です。
従来通りの働き方ではなく、もっと柔軟に、自分らしく働きたい。そのためのリカレント教育でもあります。
リカレントな視点での生涯学習は、ずっと学び続けなければいけない苦労ではなく、学びたいことが生涯にわたって自身の中にある、という知的財産なのです。
まとめ
リカレント教育のまとめは以下の通り。
・市場価値の向上によりスキルアップが望める
・転職に有利に働く
・学びなおしは自己管理能力が必須
・漠然と学ぶのではなく目的意識を持つこと
・リカレント受講は主に3つの方法がある
①オンライン②通信教育③大学へ通う
・教育訓練給付金制度は3種類ある
・学びたい職種によって補助金の額が変わる
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