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店長が本当に悩んでいたのは“人手不足”よりも〇〇だった

店長 50代からの働き方

「人手不足で大変です」

そう話す店長は多いけれど、私自身が店長だった頃、実は本当につらかったのは
「人がいないこと」そのものよりも、「人がいてもうまくいかないこと」でした。

職場の空気、人との信頼関係、誰にも言えない責任の重み──

今思えば、人手不足は表面的な問題でしかなかったのです。

キッチン専門店の店長時代。表には出せなかった悩み

私はかつて、キッチン用品を扱う店舗で店長をしていました。

接客が好きで、商品知識を伝えるのも楽しい。
売上を追うのもやりがいがありました。

でも、スタッフが入れ替わるたびに教育し、
シフトを組み、急な欠勤に対応し、時には自分がレジや品出しに飛び込む。

それが毎日のように続くと、次第に体力よりも「心」が疲れていきました。

特にしんどかったのは、「自分の気持ちを押し殺して職務を全うしなければならない場面」です。

  • 上からの指示に納得できなくても、スタッフに落とし込まなければいけない
  • 利益率の良い商品をスタッフに勧めてもらう必要があるが、プレッシャーをかけたくない
  • ディスプレイやPOPの装飾が苦手で、自信を持てない
  • 自分の前では良い顔をして、サブの前では態度が変わるスタッフがいる

こうした“小さなモヤモヤ”が積み重なり、誰にも相談できずに自分を責めてしまうことが何度もありました。

本当につらかったのは「チームを保つこと」だった

確かに人手も足りない。でも、
・協力し合えない
・愚痴ばかりになる
・仕事を覚えてもらえない

そんな状況が続くと、どんなに人数がそろっていても「安心感」は生まれませんし、定着にも繋がりにくいです。

私は、「どうしたらこの人たちに辞めずに続けてもらえるか」をずっと考えていました。

でも、それを誰かに相談することもできず、「やっぱり自分の力不足なんだ」と思い込んでいたのです。

そこから気づいた、職場づくりのヒント3つ

1. 人間関係は“最初”がすべて

採用・初日の声かけ・最初の3日間。この短い期間で関係性は9割決まると痛感しました。特に初日は、一緒にお昼を取り、話しやすい雰囲気つくりをします。

仕事のことじゃなく、普段の何気ない会話を通して、スタッフの人間性を知る上でも重要だと感じます。

2. スキルと同じくらい「雰囲気をつくる人」を大切にする

ひとりでも「空気をほぐしてくれる人」がいるだけで、職場はガラッと変わります。

上司に直接相談ににくいことでも、ワンクッションあるだけで違いますよね。

人手が足りないとどうしても「スキル」ばかりに目が行きがちですが、ここに頼りすぎるのも諸刃の剣。売上が悪い時や、変なお客さんに当たってしまった時など、こんなスタッフの存在がありがたいのです。

3. 自分だけで背負わない仕組みをつくる

全部自分がやらなきゃ」は崩壊のサイン。報連相を回しやすい仕組みと、頼れる人づくりが必要でした。

指示したことの100%ができていなくても、相手を責める前に「指示の仕方がわかりにくくなかったか?」を振り返るようにすれば、確かに骨は折れますが、それを見ているスタッフがちゃんといます。

さいごに:店長も一人の人間だからこそ

店長は「できて当たり前」「支えて当たり前」になりがちです。

でも、誰よりも現場の空気を感じ、誰よりも悩み、孤独になりやすいのも店長。

人手不足という言葉では語りきれない葛藤が、そこにはあります。

だからこそ、今現場で悩んでいる方に伝えたい。
あなたの悩みは「弱さ」ではなく、「責任感の裏返し」です。

一人で抱え込まず、まずは「自分自身の働きやすさ」から見直していいんだと、あの頃の自分にも伝えたいです。

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