「年齢がネックになっている気がする」
転職活動を始めてすぐ、私はその“見えない壁”の存在を痛感しました。
履歴書の年齢欄、応募条件にある“〜35歳まで”の文字、なかなか通らない書類選考……。
「ああ、やっぱり50代って難しいのかな」そう思って落ち込む日々が続きました。
もくじ
40社以上に応募してわかった「現実」

私は、在宅で働ける仕事を探して40社以上に応募しました。
求人の条件に「未経験OK」「年齢不問」とあっても、実際はなかなか声がかかりません。
若い方が有利。経験者が選ばれやすい。
そんな空気を感じながら、それでも諦めきれずに続けました。
そして気づいたのです。
年齢のせいにして、自分を小さく見せていたのは他でもない、自分自身だったことに。
年齢の壁にぶつかって、私が「やめた」3つのこと

1. 「年齢が不利だ」と決めつけることをやめた
年齢を気にするあまり、「どうせダメだろうな」と思いながら応募していました。
でもそれって、自分で自分の価値を下げているようなものだと気づいたんですよね。
“年齢があるからこそ活かせる経験”に目を向けるようにしました。
具体的には、ライター職の中でも人材会社での経験と、社会人経験の長さを活かして「求人ライター」で絞って探してみることにしたんです。
2. 「自信なさげに振る舞う」のをやめた
面接で「未経験なんですけど……」と申し訳なさそうに話していた過去の自分。
それよりも、「これまでの職歴で得た強み」を素直に言葉にした方が伝わると実感しました。
自信がないからといって、遠慮がちにしていると相手にも伝わります。
ちなみに、私は履歴書の長所欄に「未経験のことでも自発的に勉強して学べる姿勢」と書きました。
スキル不足を正直に認めたうえで、成長意欲を伝える工夫です。
長所欄に記載されている内容って、私も人材会社で面接する側だったのでわかるんですが、自分が本当に「心当たりがある」内容じゃないと、響かないんですよね。
それから面接では、必ず前髪を上げて顔をしっかり見せるようにしました。
このちょっとした見た目の変化で、実際に2社から採用をいただけました。
私も、何かのサイトで見て前髪なんて「関係あるか?」と半信半疑でしたが、あるみたいです…。
3. 「完璧な条件」にこだわるのをやめた
在宅で、週5で、やりがいがあって、収入も安定して……そんな理想を一度リセットしました。
大切なのは、「今の自分がチャレンジできる仕事」から始めること。
そこから経験を積めば、自然と次の道が開けていくと気づきました。
思えば、キッチン専門店の店長の仕事も、当時33歳だった私は正社員経験しかなく、当たり前のように正社員で探しました。結果は全部不採用。
アルバイトでもいいか、と思って探したら、即採用。
その後、アルバイトからチーフ、契約社員、正社員と3年かかりましたが何とかなりました。
さいごに:年齢は「壁」ではなく「土台」だった

年齢があるからこそ、見えるものがあります。
年齢があるからこそ、伝えられる言葉があります。
若さに勝てなくても、経験・視点・誠実さは、50代だからこそ持てる強み。
私たちのキャリアは、まだまだこれからです。
「年齢の壁」は、乗り越えるものじゃなく、「味方につけるもの」かもしれません。
そう思えたとき、私はようやく、「年齢」といい関係を築けるようになりました。